大学の役割は、第一義的には、研究・教育者を養成し、科学・学問の発展に寄与することである。それと同時に、大学全入時代である現在は、健全な社会人を養成し、健全な人材を世の中に輩出することが求められている。
昨今の大きな問題として、いわゆる理系離れが指摘されている。特に理系の大学院は全国的に定員割れの状態が続いている。大学院重点化による定員増と少子化も一因であろうが、より重要な要素のひとつは、卒業後・修了後の進路状況であろうと想像される。卒業後の進路は学生の最大関心事のひとつでもある。
理系出身者に期待されるものは、第一に、基礎的な数学、物理あるいは化学に関する教養であろう。その基礎を前提としての科学的な問題発見・解決能力であろう。現在までの大学教育は、研究・教育者養成に重点を置き、基礎的教養を前提として問題発見・解決能力を訓練する場であった。現在は、この転換が迫られている。
具体的には、基礎的教養を学ぶ場を再整備し、基礎的教養を持たないものに卒業を認めない断固とした態度が必要であろう。短期的には入学志願者数・定員充足率の低下をもたらす可能性があるが、社会(あるいは会社)からの信頼を勝ち得るためには、必要不可欠な姿勢である。社会にとって魅力ある人材を輩出し続けることではじめて、社会からの信頼が得られ、また同時に、学生からの信頼を得ることができる。大学は、その生き残りをかけて、長期的視野にたって問題に取り組まなければならない。この取り組みは、必然的に、研究・教育者の養成、科学・学問の発展に大きく寄与するものとなる。
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