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木材

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No.|Comment

ラバーウッド集成材

2011/09/16(Fri)15:39

天然ゴムのプランテーションをみて帰ってきてから(参照→拡大造林とプランテーション)、
「ラバーウッド」なる材を使った製品が日本国内でも、結構売られていることに気がついた。
いわゆる天然ゴムの木、パラゴムノキの集成材のようだ。
学習机の天板などで使われてることが多いようだが、建材(内装、床材)としても使われてるみたい。

ラバーウッドという材、ともかく安いみたいです。
でも、ラバーウッド集成材の評判(風評)って、めちゃめちゃ悪いです。

悪い評判は、
・柔らかくて、耐久性がない。
・カビが生えやすく、耐候性がない。
・天然ゴムを搾りつくした後のスカスカの材である。
というような感じ。

子供用の机ってのは、らくがきはもちろんのこと、カッターで引っかいてみたりと、
ともかく消耗品だから、機能性とデザイン重視で価格を抑えて作るのがいいのだろう。
ということで、それなりには売れてるのでしょう。

だけど、ちょっと調べたところだと、評判ほど、その品質は悪くない気がします。

パラゴムノキは、トウダイグサ科の広葉樹で、多くの国産広葉樹と同じく散孔材です。
散孔材は、基本的には、細めの導管がランダムに配置され、木目がはっきりしません。

例えば、高価な家具に使用されるチークとかオーク(ナラ材)とかケヤキは環孔材です。
環孔材は、木目が綺麗だし、硬いので、耐久性もよいということになります。
一方、散孔材というのは・・・そもそも集成材なので、木目はともかくとして、
一般的に、軽くて柔らかいので、耐久性がない・・・ということになってるようです。

散孔材の代表格のブナは、昔は薪にする以外に役に立たなかった
だから、木へんに無いと書く、というのは有名な話ですが、実は、曲げ物なんかに
使われているように、粘りがあって割れにくいという性質をもってます。
たぶん、ラバーウッドもこれに近いんじゃないかな・・・と思います。

木材乾燥技術と集成材製造技術の発達で、
最近は、ブナ集成材というもの出回るようになってるらしい。
で、ブナ集成材ってのも、「耐朽性が小」(つまり、腐りやすいということ)となってる。

ちなみに、ラバーウッド集成材もブナ集成材も比重がだいたい0.6強ぐらいです。
環孔材でいうとナラ材と同じぐらい、散孔材だとマホガニーと同じぐらいです。
#ギターでおなじみのメープル(0.7ぐらい)よりもちょっと軽く、
#バスウッド(0.3ぐらい)よりだいぶ重い。

比重のデータは、それなりに転がってるけど、強度のデータってのはあんまりないので、
強度がどうなのかは、判然としないけど、比重から類推する限りでは、
高級材には劣るが、そこそこの強度は期待されるのではないかと思います。
(普通は、重い材は堅い・・・はずです)
その安さから言えば、壊れたら買い替え、ということでも、いいかもしれません。


パラゴムノキが青変菌という菌に弱い、というのは、事実のようです。
これに対する処理(防菌処理とか防水塗装とか)をしないと、雨ざらしだとヤバそうです。
(このため、これに対する処理についての研究はいくつかなされているようです)
普通は、集成材を作るときには、それなりに乾燥して作るはずですし、
青変菌というのに弱いというのは周知の事実なので、何も処理していないということは考えにくい。
建材として、水周りなんかに使うのは、やっぱり止めた方がいいのかもしれないけど、
ちゃんと塗装してあって、水周り以外、たとえば学習机なら、そんなに問題ないと思われます。


ゴムを搾りきった後の廃材というのは、確かにそのとおりですが、
「スカスカの材」という表現は、「ゴムを搾り取る」ということの実態を
誤解してるんじゃないかと思います。ゴム採取の実態は・・・
木の表面に傷をつけて、そこから染み出してくる樹液(乳液)をお椀でうけるわけですから、
ゴムを搾り取るといっても、なにか圧力をかけて、ギュッと絞る訳ではないのです。

現象としては、人間でも、皮膚を切れば、血が出て、血小板というのが止血してくれて
カサブタができますね。ゴムってのは、このカサブタと似てる。
あるいは、ゴム(ラテックス)が染み出てくるのは、木の防御反応らしいですから、
機能としては、カメムシが敵に攻撃された時に出す、臭い分泌液に近いかもしれない。
(カメムシって、いじらなければ、普段は臭くないって知ってました?)
#ゴムは、そんなに臭くないけど、とりあえず、とっても苦いはずです。

木肌に傷をつけてゴムを採取すると、木材がスカスカになる(密度が減少する)というよりは、
木の(肥大)成長速度が遅くなる(幹がなかなか太らない)そうです。

つまり、既に材になった成分が溶けて出てくるわけじゃなくて、
これから成長にまわるべき栄養分がでてきちゃうってことで、
既にできている材がスカスカになるわけじゃない。
だから、「天然ゴムを搾りつくした後のスカスカの材」という表現は、間違いです。

#肥大成長が遅い木ってのは、どっちかといえば、材は締まって堅くなる場合が多い。
#ゴムノキの場合、それに該当するかどうかは知らないけど。

しかし、植栽後5年目からだいたい2~30年の間は、ゴムを採取して、
樹齢20~30年で伐採し、製材し、あらたな苗を植えて育てる・・・
という25年ぐらいのサイクルって、人間の一世代にちょうど対応しそうで、
子々孫々同じよう受け継がれそうで、なんかいい感じですね。
(どこかに落とし穴は、あるのだろうか?→拡大造林とプランテーション)、



(2012年2月13日追記)
この記事が、なぜかこのブログ一番人気のようです。
ラバーウッドについての情報って、案外、WEB上では出回ってないようですね。
参考にしていただければ、書いたかいがあるというものです。

それなりに調べた情報を、嘘のないように示してはありますが、
この道の専門家ではないので、間違ってる部分もあるかもしれません。
誤りや不正確なところなどありましたら、是非、ご指摘ください。

また、実際に、ラバーウッドの製品を使って実感したものでもないので、
実際いお使いの方の使用感なんてのも聞いてみたいところです。
どうでしょう? 堅くていい材でしょうか? 重いくないですか?
それとも、やっぱり、風評どおり、柔らかくてスカスカなのかな?

一番人気の記事なんだから・・・・せめて1つくらい・・・
コメントついてもいいんじゃないかなぁ・・・・と思う今日この頃

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No.59|木材Comment(11)

拡大造林とプランテーション

2011/08/11(Thu)13:36

熱帯地方に行ってまいりました(関連:俺だけは)。と、いっても、いまなら、日本の方が確実に暑いです。
一応、向こうは今、雨期で、一年のうちでは涼しいほうであったというのも一因だけど、
日本は、地面がほとんど完璧にアスファルトで覆われてるってのが効いてる気がする。
江戸時代のように砂埃が舞い上がる環境なら、打ち水でもしようかという気にもなるんだろうに・・・

さて、天然ゴムのプランテーションの中に数日滞在してました。
同じ遺伝子のクローンの林です。
まったいらな平地に、おんなじ樹形の木が林立してるのも壮観です。

プランテーションというと、なんか、あんまり良くないイメージを持ちますね。
基本的に、森林破壊とセットで語られることが多いからかもしれません。
元々はたぶん、(ちょっとだけ季節性があるけど)いわゆる熱帯雨林だったことを思えば、
オリジナルの生態系ってのは、かなりダメージがあって、不健全なのだろうけど、
パッと見た感じは、綺麗な明るい広葉樹の森でした。

地面は、結構無理やりに、生姜とか、マメ科植物の種を蒔いてて、
雨が多いから、ちゃんと発芽はするので、一応、緑です。

少年少女が林内で遊び、また、ゴムのタネ拾いなど、小遣い稼ぎをしにきて、
見慣れぬ外国人が何やらやっているのを興味深げに見てる。
もちろん、オトナも、ゴムの採取とか、関連産業で働くわけです。
ゴムは、繊維についで、この国の2番目の輸出産業だそうですので、
国も全面的にバックアップして、開発しているわけです。

とりあえず、いまのところは、そこの国民にとって、いいことづくめです。
これが、将来的に、どういう状態になるのだろう?

で、思い浮かぶのは、日本のスギ・ヒノキ林です。
戦後から1970年代ぐらいまでは、日本も天然林を伐採しまくって、スギ・ヒノキを植えまくったのです。
「拡大造林」という言葉で呼ばれるのですが、やってることはゴム林と一緒ですね。
照葉樹林・温帯林を切りまくり、おそらく、オリジナルの生態系にかなりのダメージを与えました。
でも、戦後の建設ラッシュの素材を支えてきたともいうでしょう。

(実際には、木の成長速度を鑑みると、その時植えた木はそんなに使ってないだろうけど)
(植えてすぐにゴムが取れるゴム林とは、この辺がちょっと違う)

ともかく、当時は、いいことづくめの拡大造林だったはずです。
そして、誰も、将来のことまで、そんなに深くは考えていなかったでしょう。

日本の高度経済成長のときに見られた様々な負の側面が今、多くの途上国でかいま見れます。
中国の公害問題などは、ほとんど、まったく同じといっていいでしょう。
知識として、学術的には伝わっていても、状況が揃えば、まったく同じ過ちを犯してしまうようです。

熱帯のプランテーションを、日本の拡大造林と結びつけて考えるひとはあんまりいないかもしれない。
でも、現在の日本の森林の状況をみるにつけ、熱帯のプランテーション林の将来像を考えないでいられない。

天然ゴムの需要は、きっと、このまま維持されるだろうか?当面は維持されるだろうが、
シリコン素材(など)による代替品にどんな技術革新があるか?にかかってるかもしれない。
もしかすると石油ゴム側でも技術革新があって、天然ゴムを代替してしまうかもしれない。

現在のところ、人件費の安さに応じて、安価な天然ゴムを供給し、競争力を保っているが、
経済成長に伴って人件費が高騰した場合、この競争力はどこまで維持できるだろう?

ゴムってのは、木、一本一本に傷をつけ、お椀のようなもので、ゴムを採取してまわるんです。
とても、日本のように人件費の高いところで成り立つとは思いません。
もしかすると、ゴム採取法のほうにも、技術革新があるかもしれません。
クローンのまったく同じ形状の木なら、思ったよりスンナリと機械化されるかもしれませんが、
それでも、野外環境ですし、安くあげるには、それなりに困難はあるでしょうね。

将来、どんな状況になっているか、いまのところ、判然とはしませんが、
万が一、ゴム林が放棄される事態になった場合に、どんな状態になるだろう?

とりあえず、平地であれば、ガガガっと林業機械がはいって、切ってしまうかなぁ?
たぶん、平地なら、赤土の流失もそんなに顕著ではあるまい。
あったかいし、雨は沢山ふるから、案外、あっというまに、元の熱帯雨林かなぁ・・?
そのまえに、宅地開発かもしらん。高級住宅地になってるかも。

こうして考えると、案外、大丈夫かも。
日本の山が辛い状況なのは、ひとえに、山岳の急勾配があるからだろうか?
本当いうと、スギ・ヒノキ、全部きってやりたいですね。
その術さえあればというところです。山崩れを起こさずに切る術が。
(山をモルタルで覆いながら切っていくってのは、過激な一案。)
(#夏の温度上昇がさらに激化するんだろうなぁ・・・)

ちなみに、ゴムの花粉は・・・・たぶん、そんなに飛ばないはずです(^_^;>

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No.55|木材Comment(0)