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ピックアップ周辺回路の周波数特性<ピックアップのインピーダンス特性>欲しいものたち
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ピックアップのインピーダンス特性

2012/01/24(Tue)12:59

イシバシ楽器のサイト:Academic Zone > エレクトリック・ギター > ギターの電気系
というページに、こんなグラフが載ってる。

「市販されている一般のシングル・コイル・ピックアップと ハンバッキング・ピックアップ
のコイルの端子側、 即ちピックアップの出力側から見た電気インピーダンス特性」
だそうな。(図中の「等性」は「特性」の誤りでしょうが)

ともかく、シングルコイルは、ハムに比べて、ピークが高周波側によって、
なおかつ、ピーキーな形状のカーブを描いているわけです。
なんとなく、普通に想像するシングルとハムの音の違いを示していそうな感じで、
なるほど・・・と思って眺めるわけなんだけど・・・・

これって、なんで、こんな風なカーブになるの?
と、ちょっと計算してみました。というお話です。

細かい計算は、ともかく、いったんおいておくとして、結論からいうと、
ピークの尖り具合ってのは、いわゆるコイルのインダクタンス(誘導係数)が
決めてるんじゃなくって、どうも、グランドへの電気の逃げ具合、
つまり、絶縁抵抗の大小が決めてるみたい。

で、上述のページを見ると、ピックアップの等価回路として、
下の左の図が載ってるんだけど、これだと、グラフの曲線は説明できません。
 ⇒ 修正 
右の図のように、絶縁抵抗R'を導入しないと、ピークが尖りすぎます。
しかも、シングルとハムの尖り具合の差が、あんなにできません。

この下のグラフを見ると一目瞭然ですね。左がR’がない場合。右がある場合です。

(ピークの位置と高さを元のグラフに合わせてあります。計算方法は、続きを参照)
あきらかに、右の方が最初のグラフに似ていますね?

というわけで、R'を導入して、計算した結果が以下の通り。

  シングルコイル ハムバッカー
インダクタンス(L) 2.02H 3.47H
内部抵抗(R) 6.0kΩ 7.8kΩ
寄生容量(C) 279pF 210pF
絶縁抵抗(R') 430kΩ 230kΩ

もちろん、この値は、あくまでも、上のグラフから推定した値です。
市販されている一般のシングル・コイル・ピックアップと ハンバッキング・ピックアップ
だそうですが、具体的に、どれということは分かりませんし、
どのようなセッティングで、どのように測定したのかも定かではありません。
なので、断定的なことはなにひとついえないのですが、
R'以外については、まずまず、よくいわれているような値じゃないかと思います。
#たとえば、こことか、こことか、こことか、こことか、

R'については、その実態はよくわかりません。
もしかすると、ボリュームやトーンコントロールの抵抗値が出てるんじゃないか?
とも、思ったんだけど、普通は、シングルでは250kΩ、ハムで500kΩを使うようなので、
絶対値的にも合わないし、シングルとハムの大小関係につじつまが合わない。
しかも、「コイルの端子側、 即ちピックアップの出力側から見た電気インピーダンス特性」
と、わざわざ書いてあるんだから、ピックアップ単体を測ってるだろう。(と思う)

とすれば、もしかすると、インピーダンスアナライザの抵抗?いやいや、
いくら安モノのアナライザでも、そんな誤差を生むような役立たずはないだろう。

じゃあ、本当に、文字通り、絶縁抵抗ってことは、どこかの絶縁部から電気が漏れてるの?
ってことだけど・・・・
たしかに、コイルを作る導線ってのは、いくら絶縁体で被覆されてるとはいっても、
何百メートルもの線を巻いてつくるんだから、
さすがにちょっとぐらいは、電気は逃げちゃうってことなんじゃないかな?
そうすると、ハムの方が巻き数が多くて、線が長いから、電気は逃げやすくて、
抵抗値は小さくなる。ということで、一応、つじつまは合う・・・のだろうか?

というわけで、細かな数式は、続きを参照のこと。

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-----
・・・続きです。

まずは、絶縁抵抗R'を考慮しない場合の計算をしてみます。
インダクタンスL、内部抵抗R、寄生容量Cとして、角周波数ωと虚数単位jを使うと、
アドミタンス(インダクタンスの逆数)は、以下のようになります。
#インダクタンスは、計算上扱いづらいので、計算は、アドミタンスベースで行います。
#で、最後に、逆数をとれば、インダクタンスになると。

#ちなみに、 
#アドミタンスの大きさは、

#と、ちょっと横道にそれてるので、戻して、
冒頭の式の虚数部分(カッコの中身)がゼロの時に共振するということなので、
その時の角周波数をω0(周波数をf0)とすると、
ということで、共振周波数(≒冒頭のグラフのピーク周波数)が求まります。
その時のアドミタンス、および、インピーダンスは、以下の通り、
なので、
グラフから、f0とZ0は既知として、さらに、曲線の左端からRも分かる。
連立方程式を解いていくと、

と、一意に求まる。・・・・・んだけど、この場合、以下のようになります。

  シングルコイル ハムバッカー
インダクタンス(L) 1.02H 1.05H
内部抵抗(R) 6.0kΩ 7.8kΩ
寄生容量(C) 536pF 648pF
絶縁抵抗(R') - -

普通よくいわれてるインダクタンスは、2~5Hぐらいなので、ちょっと小さすぎるし、
このパラメータと上の式を使ってグラフを描くと以下のようになる。



ハムの曲線がいかにも違うし、よく見ると、シングルの方も左が尖りすぎ。
しかし、上の式に従って、f0とZ0とRが決まっている以上、曲線はこうなるしかない。

なんで、元の曲線が再現されないのか?

と、いろいろ考えまして、絶縁抵抗R'を導入してみます。
R'を並列につないで、式をたてなおしてみます。まずはアドミタンス。
というわけで、式がかなり複雑になるけど、虚数部がゼロになる条件は、変わらないことが分かる。
ちなみに、アドミタンスの大きさも、結構複雑な式でこまっちゃう。
で、共振するときのアドミタンスと、インピーダンスは、以下のとおり。
 だから、
んで、R'は未知数なんだけど、ともかく、LとCをRとR'などで表現すると、
てな感じになります。
#ていうか、複雑すぎて、きっと、変形中にどこかでミスってますね。たぶん。
まあ、ともかく、式の正確さはともあれ、
未知数がR'、L、Cの3つで、式が2つなので、これだけでは解けない。
今のところ使ってる情報は、f0とZ0とRの3つだけなので、もう1つぐらい情報がいる。

グラフがあるんだから、実は簡単です。冒頭のグラフをちゃんとデジタイズして
とりあえず、数点でいいから、曲線上のキリの良さそうな座標を調べて、
上の式につっこんで連立方程式を解く・・・のがいいんでしょうけど、結構メンドイ。
#対数グラフから座標を読み取るのって、結構大変。
#さらに、式が複雑すぎて、解析的に解くってのは、シンドすぎ。

というわけで、適当にR'を変化させながら(R'>Z0という必要条件はすぐ分かる)、
コンピュータに絵を描かせて、グラフの形状を目視で確認・・・・
という、きわめてアナログな感じで、フィッティングをかけてみる。
#案外、人間の目って、正確なんだよねぇ、これが。


というわけで、ソックリになったでしょ?(-_-;

この時の数値が、記事本文の方の表ということです。
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